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 ●6月23日(木)
 昨日と今日、文部科学省が主催するシンポジウム『平成17年度科学技術振興調整費シンポジウム』が早稲田大学の井深大記念ホールで開かれた。私は仕事の都合で昨日の第1部の基調講演と第2部「知のフロンティアへの挑戦 −先端融合分野への戦略的対応とは」だけを聞いたが、いろいろと考えさせられた。



 さて、それをどう配分しようか、というのがもちろん大事で、政策担当者の知恵の絞りどころだ。
主として大学や独立法人の研究所に振り分けられる資金なので、大学の意見を取り入れながら、産業界とも連携をとりながら決めたいというのが、その流れだ。

 ポイントは、企業が単独では手を出せないような、長期的ハイリスク・ハイリターンな研究分野をどうやって選定し、あるいは作り出して効率的に資金を投入するか。先端的融合分野、戦略、アウトリーチ、イノベーション創出などがキーワードで上がっていた。

 冒頭で基調講演をした井村裕夫氏(JST科学技術振興調整費運営統括)の「今、日本は近代以降、第3回目の建国の時を迎えている」という言葉が耳に残った。まさにその通りだと思う。日本は今、明治維新、敗戦からの復興に続いて、バブル崩壊からの復興という3度目の建国の時にきていると思う。

 私のような若輩者がそんな大それたことを論じるのはどうかとは思うが、国民の隅々までがあえてそういうことを考えてみるというのが大切かもしれないと思っている。

 言うまでもなく、明治維新の近代化以来、日本は科学技術立国として国を繁栄させてきた。第2次大戦敗戦後の日本を急激に復興させたのは、自動車や家電などの技術系企業による外貨獲得の貢献が大きかった。
 また同時に、国内は貧しくモノがなかったから何でも作れば売れる、生活スタイルを含めてアメリカの成功例を真似すれば何でもうまく行くというということもあり、まさに今の中国と同じであった(ただし中国は日本に比べて人口比で10倍だから、これからもっと複雑な発展になるのかもしれない)。
 そんな中で日本の科学技術政策も、もっといえば科学技術そのものも、表面上の海外の流れに習っていれば良かったのではないか。表面上のことはこれからもあるいはその流れでうまくいくのかもしれないが、日本の30年後のことを考えるともっと戦略的な観点が必要ではないかというのは、大いに賛成する。

 先日ある大学で教えている金融界の人物に会った。今、米国の金融界は世界経済の主導者であるといっていい。そこでは統計的な手法を用いた、デリバティブやクォンツなどが発達していて、その方法論はもはやサイエンスと言っていいほど精緻である。ところが、私は知らなかったのだが、その基礎を築いたのはかつてアポロ計画でロケット開発に関わった工学や物理学の研究者たちだという。アポロが終焉を迎え、ウォール街に優秀な人材が流れたというのである。
 この話には二つのポイントがあると思う。一つは今の日本では到底考えられない柔軟な人材流通が米国にはあるということだ。そしてもう一つは、大規模な科学技術政策の長期的な波及効果の大きさだ。

 なんでも米国追従ではいけないが、この2点は学ぶべきところがあると思う。
「優秀な人材の流通」と「国家主導の大規模な科学技術政策」だ。

尻切れトンボだが、話が長くなるので今日はここまで。この2点について、引き続き別の稿で考えてみたい。

(2005年6月23日更新)

 ●3月24日(水)
 先週の金曜日(3月19日)、友人と近所の公園の池のほとりを散歩していたとき、目の前を鋭く青く光るものが横切り、水面に張り出した枝の上に止まりました。
 一瞬目を疑いましたが、「カワセミ」でした。カワセミといえば、水がきれいで人間が立ち寄らないような渓流で魚を採って暮らしているものとばかり思っていましたので、びっくり。東京都内のこの公園の近くにはカタクリの群生地もあります。都内でもよく管理された雑木林と流れのあるこの池は、思った以上に自然に恵まれているのです。
 この周辺に住んでいる方はおそらく知らないかもしれませんし、教えてあげたい気もします。
 そして、自然にじっと目をこらす心のゆとりをもって、今まで見えなかったものを発見した時、童心に帰ったような爽やかな喜びが湧き上がってくるのです。

 ●2月9日(月)
 今日のYahoo!ニュースによると、「病院から返品されたインフルエンザワクチンが、8万本」だそうです。
一瞬、目を疑いました。なぜって、私が昨年12月にかかりつけの医師にインフルエンザの予防注射をお願いしたときには、「もう終わっちゃったよう。どこも不足しているみたいだから、いつ入るかわからないよ」と言われ、結局、予防注射をしそびれていたのです。

 それから約1ヶ月後の1月中旬、念願のオーロラを見るために出かけたカナダの旅先で、激しいのどの痛みと急な発熱に見舞われました。
 3泊4日の現地での滞在中、ホテルのベッド以外に訪れた唯一の場所(しかも2日連続で)は、地元の救急病院。 その名も「ノーザンライツ地域総合病院(ノーザンライツ=オーロラ)」。
 点滴を受けている途中、医療スタッフから「何しにカナダに来たの?」と訊ねられ、「オーロラを見に来たんです」という答えに、ニヤニヤっと笑って「Welcome to Canada!」と愛嬌たっぷりに言われたのが今回の旅の最大の思い出になってしまいました。

 結局、あれが本当にインフルエンザだったのかどうかはっきりはしませんが、やっぱり予防注射は受けておきたかったなあ、と後悔しきりです。
 ワクチンが8万本も未使用のままメーカーに返品されるぐらいなら、どうして私に1本分けてもらえなかったの?と思ってしまったのでした。

 ●1月28日(水)
 最近、民主党の古賀議員の話題、鳥インフルエンザの話題の次に、火星の話題がよく出てきます。(NASAが2台の火星探査車の着陸に成功し、毎日火星の新しい情報を発表しているからですが、それにしても、政治家のスキャンダルの話題に隠れてしまうとはちょっと悲しい気はしますが。)

 先日ある会合で、「火星の土地って売ってるって知ってた?」と聞かれました。月の土地を売っていることは知っていましたが、まさか火星まで売りに出されているとは知らなかったのです。そこで、早速ネット検索してみると、ありました!
「ルナエージョンシージャパン」(http://www.lunarembassy.jp/index.html)。  
しかし、誰の所有物でもない火星や月の領有権を本当に主張できるはずがなく、かなりインチキ臭いなあと思いつつ、まあ、買う人も洒落で夢を買っているんだろうからいいか、という気もします。火星接近価格として、なぜか割引もされています。サイトを眺めているうちに、我が家にも「火星の土地の証明書」の額縁がひとつあってもいいかなどと思えてくるから不思議なものです。
・・・でも、やっぱりやめておこう、っと(笑)。

 ●6月25日(水)
 先日、知人に「瀧澤さんのホームページってさっぱり更新されないんだよね」と痛いところを突かれました。世迷言でも何でも、ちょっとずつでも更新しなければ意味がないなあ、と反省。
 オススメ本として紹介しました「寺田寅彦は忘れた頃にやって来る」という本で、すっかり寺田寅彦のファンになってしまった私ですが、この本では寺田寅彦がいかに筆マメであったかということもよくわかります。ちょっとは見習わなければ。(しかし、日記がたくさん紹介されていて、本人がこの本を読んだらきっと赤面モノだろうなぁ(笑)と思ってしまいますが。)

 さて、その寺田寅彦は、尺八の音の出方の研究やら、金米糖の角の数(だいたい数が決まっているらしい)やら、キリンの縞模様(彼の説は動物学会にセンセーショナルを引き起こした)やら、一体それが分かってなんの役に立つの?というようなことにまで関心を向け、科学的な考察を試みています。しかし、彼がまなざしを向けたモノたちは、たちまち自然界の神秘のベールをヒラヒラとさせ、活き活きと見えてくるから不思議です。

 ・・・なんてことを考えながら、親戚から送っていただいた山形のさくらんぼを頬張っていたときに、急にある疑問が浮かんできました。

「さくらんぼって、どうしてこんなに茎(柄)が長いんだろう?」

 さくらんぼは言わずと知れた桜の実です。バラ科の植物で別名「桜桃」。大きく捉えれば桃や梅、杏などと近縁の種であろうことは素人でも察しがつきます。しかし、なぜさくらんぼだけ、枝と実の間に、でろ〜んと長細い茎がついているのか?もしかして、さくらんぼなりの戦略があるのではないだろうか?

 こんなことを考え始めたら、寺田寅彦と同じ「科学の遊蕩児」への扉を叩き始めた気がして嬉しくなってきました。もっとも、彼の偉いところは推論をたてて実証していくところなんですけどね。

ともあれ、さくらんぼの疑問について調査して何か進んだら、またこのホームページにご報告しまーす。

 ●2月4日(火)
1日に起きた米スペースシャトル「コロンビア」の大気圏再突入時の空中分解事故は、7人の飛行士全員が犠牲となる 大惨事になってしまいました。人類の夢の実現のために尊い命を犠牲にした勇気ある7人の宇宙飛行士のご冥福を 心からお祈りします。

事故から三夜あけて原因が次第に明らかになりつつある中、人々の注目は今後のアメリカの宇宙開発政策に 向き始めました。米ソ冷戦下に始まった宇宙開発競争がソ連の崩壊と共に終わり、宇宙開発は表向きは 国際宇宙ステーションを中核とした国際協調の舞台となっています。

しかし、宇宙開発は国家威信や軍事面での役割が薄れ、残った使命が「宇宙への挑戦」や教育、科学研究 という、政治の目的としては二の次に回されやすい目的へと移ってきたことも事実です。
こうした中でNASAは予算削減を余儀なくされ、今回の事故も「安全投資の削減」の結果起きた事故である という指摘もされています。
実は議会内ではNASAの予算不足が指摘され、増加することが決まっていた矢先の事故でした。

ブッシュ大統領は、早々と「国の威信をかけてシャトル運航を再開する」と宣言しましたが、 現在、日米欧で進めている国際宇宙ステーションに大きな影響が出ることは必至です。

日本も3日、文部科学省の宇宙開発委員会によって、国際宇宙ステーションを利用する実験計画の検討作業を 当面凍結することが決まりました。
有人飛行を行わない日本の宇宙開発は、他国に大きな影響を受けてしまう状況にあることが 改めて浮き彫りになったと言っていいでしょう。

 ●11月2日(土)
ここ1日、2日ですっかり冬の様相になってしまいました。
急に寒くなったせいか、ちょっと風邪っぽい今日このごろです。

こんなときに体を温めてくれるのが、昔ながらの甘酒ですね。
熱々の甘酒に、しょうが汁を入れて飲むと、風邪で食欲がなくてもちゃんと栄養をとることができるのだそうです。

甘酒は、ごはんを麹菌で発酵させて作る飲み物ですが、発酵博士の小泉武夫氏によれば、
米麹から作る甘酒というのは、ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸というビタミンや、
必須アミノ酸を麹菌が作って米麹に残してくれていて、大量のブドウ糖も含まれている
総合栄養ドリンクなのだそうです。さしずめ病院の点滴のようなものだ、とおっしゃっています。

それじゃ、さっそく甘酒を飲んで寝るとしますか・・・。


 ●9月24日(火)
すっかり秋風が吹く季節になりました。
木々の葉が色づき始め、蝶々が名残惜しそうに蜜を吸いまわっているのを見ていると、
ほんの数週間前までセミがやかましく鳴いていたことなんか、信じられない思いがします。

カレンダーを見たわけでもないのに、お彼岸にはちゃんと赤いヒガンバナが一斉に咲いて、
自然はどうして季節を知っているのかなあ、と不思議に思ってしまいますね。

そんな身近で素朴な疑問に思いをめぐらすのはとても楽しいし、
自然科学の原点だと私は思います。
自然の神秘を感じながら、これから人間はどこまで、この世界を「理解する」ようになるのでしょうか。

数日前、私達をとりまく物質世界にとって、大きなニュースが報じられました。
物質」と逆の電荷を持つ「反物質」を大量に生成することに成功した、というものです。

これがどういう意味を持つニュースなのか、それはこちらで解説していますので是非ご覧ください。

素粒子や宇宙論にかかわる物理学者によると、
この宇宙のどこかに、"反物質"だけでできた世界があるという可能性も今はまだ捨てきれないといいます。
もし、反物質の吹き溜まりがあったとしたら、どんな世界なのでしょうか。
雲をつかむような話ですが、とても神秘的ですね。
科学することは、新たなロマンと挑戦を呼ぶことなのかもしれません。

秋の夜長に、こんなことを考えながら、日々話題になる科学の出来事を集めてみようと 思い立ちました。
これからよろしくお付き合いいただければ、嬉しく思います。

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